糖尿病 運動習慣

糖尿病の人は
ウォーキング
だけでいいの?

糖尿病のコラム画像

2026年7月9日

監修: 平安山 剛
(GOOD JOB FITNESS あさか代表)

糖尿病や血糖値が気になる方へ。ウォーキングの始め方と、筋力トレーニングを組み合わせる意味をわかりやすく解説します。

健康診断や病院で、 「血糖値が高めです」 「糖尿病の管理のために運動をしましょう」 「まずは歩くことから始めましょう」 と言われたことはありませんか?
糖尿病や血糖値が気になる方の中には、「ウォーキングだけでいいの?」 「どれくらい歩けばいいの?」 「筋トレも必要なの?」 「ジムに行った方がいいの?」 と迷う方も多いと思います。
今回は、糖尿病とウォーキングについて、スポーツ医の視点もふまえながら、運動初心者の方にもわかりやすく解説します。

目次

  1. なぜ糖尿病ではウォーキングが勧められるの?
  2. ウォーキングは糖尿病の管理に役立つの?
  3. ウォーキングだけでいいの?
  4. 筋トレも必要なの?
  5. どれくらい歩けばいいの?
  6. 実はウォーキングの目的は血糖値だけではありません
  7. ウォーキングが続かないのは意志が弱いからではありません
  8. まとめ

なぜ糖尿病ではウォーキングが勧められるの?

糖尿病の治療では、

  • 食事療法
  • 運動療法
  • 必要に応じた薬物療法

が大切とされています。

糖尿病診療ガイドラインでも、病態に応じた食事療法、運動療法、生活習慣改善に向けた支援が重要とされています。

ウォーキングは、特別な道具がなくても始めやすい運動です。

運動が苦手な方や、ジムに通ったことがない方でも、

まず歩くことからであれば始めやすいかもしれません。

そのため、糖尿病をきっかけに運動習慣を作るうえで、ウォーキングはとても大切な入口になります。

ウォーキングは糖尿病の管理に役立つの?

ウォーキングのような有酸素運動は、糖尿病の管理や健康づくりに役立つことが期待されています。
有酸素運動とは、息が大きく乱れすぎない範囲で、ある程度続けて行う運動のことです。

例えば、

ウォーキング

自転車

水中運動

軽いジョギング

などがあります。

その中でもウォーキングは、

  • 道具がいらない
  • 今日から始めやすい
  • 自分のペースで調整しやすい
  • 日常生活に取り入れやすい

という特徴があります。

だからこそ、運動習慣の第一歩として取り入れやすい運動です。

ウォーキングだけでいいの?

ウォーキングはとても良い運動です。

ただし、スポーツ医の視点では、ウォーキングだけで終わらせないことも大切です。

なぜなら、将来の健康づくりを考えると、

  • 足腰の筋力維持
  • 姿勢の維持
  • フレイル予防
  • 転倒予防
  • 日常生活動作の維持

も大切だからです。

糖尿病治療の目標は、血糖値だけではありません。

糖尿病のない人と変わらない寿命や生活の質を目指すこと、そしてサルコペニアやフレイルなどの予防・管理も大切とされています。

そのため、有酸素運動+筋力トレーニングという考え方が大切になります。

筋トレも必要なの?

「糖尿病なのに筋トレをしても大丈夫?」

と心配される方もいるかもしれません。

もちろん、いきなり重い重量を扱う必要はありません。

息を止めたり、無理な負荷をかけたりする筋力トレーニングは避けた方がよい場合もあります。

しかし、

  • 椅子から立ち上がる練習
  • 軽いスクワット
  • かかと上げ
  • マシンを使った軽い筋力トレーニング

など、自分に合った負荷で行う筋力トレーニングは、健康づくりに役立つと考えられています。

ウォーキングで体を動かす習慣を作りながら、少しずつ筋力を維持する運動も取り入れていく。

この組み合わせが、将来の健康づくりにつながります。

どれくらい歩けばいいの?

大切なのは、頑張りすぎないことです。

糖尿病と言われると、「毎日たくさん歩かなければ」「1日1万歩を目指さなければ」と思う方もいます。

しかし、最初から高い目標を立てると、続かなくなることがあります。

まずは、

  • いつもより10分多く歩く
  • 買い物の時に少し遠回りする
  • エレベーターではなく階段を使う
  • 車やバスを使う距離を少しだけ歩く

といった小さな工夫から始めてみましょう。

「完璧な運動」よりも、「続けられる運動」を見つけることが大切です。

実はウォーキングの目的は血糖値だけではありません

ウォーキングというと、「血糖値のために歩く」と思われることがあります。

もちろん、糖尿病の管理に役立つことは期待されています。

しかし、ウォーキングの良さはそれだけではありません。

歩くことには、

  • 外に出るきっかけになる
  • 気分転換になる
  • 体力維持につながる
  • 生活リズムを整えるきっかけになる
  • 筋力トレーニングを始める準備になる

という面もあります。

つまりウォーキングは、これから運動習慣を作るための入口でもあります。

糖尿病をきっかけにウォーキングを始めることは、将来も元気に生活するための身体づくりにつながります。

ウォーキングが続かないのは意志が弱いからではありません

ウォーキングは始めやすい一方で、続けるのが難しい運動でもあります。

それは意志が弱いからではありません。

  • 天気に左右される
  • 一人だと続かない
  • 効果がわかりにくい
  • 膝や腰が不安
  • どのくらいやればよいかわからない

といった理由があるからです。

だからこそ、続けやすい環境を作ることが大切です。

一人で頑張り続けるのではなく、自分に合った方法を一緒に考えていくことも、運動習慣づくりには役立ちます。

まとめ

糖尿病の人にとって、ウォーキングはとても始めやすい運動です。

特別な道具がなくても始められ、自分のペースで取り組みやすいことが大きなメリットです。

ただし、将来の健康づくりを考えると、ウォーキングだけでなく、

  • 筋力維持
  • フレイル予防
  • 転倒予防
  • 日常生活動作の維持

という視点も大切です。

まずは歩くことから始めて、慣れてきたら軽い筋力トレーニングも組み合わせていきましょう。

大切なのは、完璧な運動ではなく、無理なく続けられる運動習慣です。

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注意事項

胸の痛み、強い息切れ、めまい、関節の強い痛みなどがある場合や、医師から運動制限を受けている場合は、
運動を始める前に医療機関へご相談ください。
当施設では診断・治療を行っておりません。診断・治療に関するご相談は医療機関へお願いいたします。

参考文献

  1. 日本糖尿病学会 編・著『糖尿病診療ガイドライン2024 第2章 治療の目標と指針』
  2. 糖尿病標準診療マニュアル2026
  3. 厚生労働省 e-ヘルスネット「糖尿病を改善するための運動」
  4. 大坂貴史『今日から使える!糖尿病運動療法「超」実践メソッド』文光堂、2026年。

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